1.肥満症とは

「肥満」とは、体脂肪が過剰に蓄積した状態です。

肥満の程度を評価する指標として、BMI(Body Mass Index)が広く用いられています。

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標準体重(BMI=22)

BMIは健康状態を判断する目安の一つです。この結果は医療上の診断ではありません。

「肥満」と「肥満症」は違います

BMIが25以上の場合、日本では「肥満」と判定されます。

しかし、肥満だからといって、すべての方が「肥満症」と診断されるわけではありません。

肥満に加えて、糖尿病や高血圧症、脂質異常症、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群など、肥満に関連する健康障害を伴っている場合や、健康障害を起こしやすい内臓脂肪の蓄積がみられる場合には、「肥満症」として医学的な治療の対象になります。

肥満症の治療は、単に体重を減らしたり、見た目を変えたりすることが目的ではありません。

体重を適切に減らすことで、肥満に関連する健康障害を改善し、将来の病気の発症や進行を防ぐことが大切です。

肥満には、食事や運動などの生活習慣だけでなく、年齢や体質、遺伝、睡眠、服用している薬、ホルモンの病気など、さまざまな要因が複雑に関係しています。

肥満は、ときに「本人の意思や努力の問題」と捉えられがちですが、決してそれだけで説明できるものではありません。

体重が増えた背景も含めて適切に評価し、一人ひとりに合った方法を考えることが大切です。

2. 肥満によって起こりやすくなる病気

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これらの病気は、それぞれ別々に起こるだけではなく、糖尿病、高血圧症、脂質異常症など、複数の病気が一人の方に重なってみられることも少なくありません。

また、肥満の影響は血糖値や血圧、コレステロールなどの検査値にとどまりません。

体重が増えることで膝や腰などの関節に負担がかかったり、睡眠中の呼吸に影響したりするなど、肥満は血液検査の異常だけでなく、全身にさまざまな影響を及ぼします。

そのため肥満症の診療では、体重やBMIだけを見るのではなく、肥満に関連する健康障害がないかを全身的に評価することが大切です。

3. 肥満症の検査・診断

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肥満症の診療では、体重やBMIだけでなく、肥満に関連する健康障害がないかを確認することが大切です。

まず、身長・体重・腹囲・血圧などを確認し、血液検査や尿検査を行います。

血糖値やHbA1c、コレステロール、中性脂肪、尿酸、肝機能、腎機能などを調べ、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、脂肪肝などの合併がないかを評価します。

また、いびきや日中の眠気がある場合には睡眠時無呼吸症候群、膝や腰の痛みがある場合には関節への影響など、症状や生活状況についても確認します。

 

肥満には、食事や運動などの生活習慣だけでなく、服用している薬や、甲状腺・副腎などのホルモンの病気が関係していることもあります。

急な体重増加がみられる場合や、ほかに気になる症状がある場合には、必要に応じて原因となる病気が隠れていないかを調べます。

 

肥満症の診療では、「どのくらい体重が多いか」だけでなく、「なぜ体重が増えたのか」「肥満によってどのような健康上の問題が起きているのか」を総合的に評価することが重要です。

4. 肥満症の治療

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肥満症の治療では、単に体重を減らすことだけではなく、肥満に関連する健康障害を改善し、将来の病気を予防することを目指します。

治療の基本は、食事や運動、睡眠など、日々の生活習慣を見直すことです。

しかし、これまで長く続けてきた生活習慣を、一度に大きく変えることは簡単ではありません。

極端な食事制限や無理な運動は長続きしにくく、体重がいったん減っても、再び増えてしまうことがあります。

生活習慣の改善だけでは十分な効果が得られない場合には、肥満に関連する健康障害や全身の状態を確認したうえで、注射薬を含む薬物療法を検討することがあります。

 

当院では、患者さんの生活や仕事、食事のとり方、運動習慣などを伺いながら、無理なく続けられる方法を一緒に考えていきます。

必要に応じて、管理栄養士とも連携しながら、継続して治療に取り組めるようサポートします。

5.院長からのアドバイス

肥満症の治療というと、「もっと食事を我慢しなければ」「もっと運動しなければ」と考える方も多いかもしれません。

 

しかし、治療の目標は、ただ体重の数字を小さくすることではありません。

少しの減量でも、血糖値や血圧、脂質が改善したり、睡眠や関節への負担が軽くなったりすることがあります。

「自分でも何とかしなければ」と思いながら、なかなか体重を減らせずにいる方も少なくありません。

 

まずは現在の体の状態や、これまで体重が増えてきた背景を一緒に整理するところから始めてみませんか。

無理なく続けられる方法を一緒に考えながら、体重だけではなく、これからの健康を守ることを目指していきたいと考えています。

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